WFMソリューションに求めるべきポイント

一人ひとりに寄り添ったカスタマーエクスペリエンスを提供し、コンタクトセンターの効率性を高めるためには、最適な人を、最適な場所に、最適な時間に投入することが不可欠です。人員配置を効率的に管理することは一般的なビジネス課題になってきており、しっかりと設計されたワークフォースマネジメント(WFM)ソリューションがあれば解決できます。現在、64%のコンタクトセンターがWFMテクノロジーを使用し、15%が今後1年以内に変更または新規導入を検討しています。最適なソリューションとベンダーを選定するポイントは何でしょうか? WFMソリューションの主な特徴を、簡単にまとめてみました。


予測の正確さ

常に最も効果的に人員配置をするために、コンタクトセンターが考慮すべきポイントをいくつか挙げてみましょう。例えば、必要人数、遵守すべき SLA。呼量よりも人員がが少なすぎると、SLAを満たせず、カスタマーエクスペリエンス (CX) に悪影響を及ぼすかもしれません。逆に多すぎると、費用効率が悪くなります。優れたスケジューリングの秘訣は何でしょうか?

端的に言えば、優れたスケジューリングのポイントは、予測の精度です。予測とは、SLAなどを考慮した上で、一定の呼量に対して推奨される人数を示すものです。この予測は、キューごとに分割することも、コンタクトセンター全体としてまとめる事も可能です。

過去の対応履歴レベルの分析に基づいて、呼量を予測することが、正確なスケジューリングの基礎となるのです。


スケジューリングの方向性

スケジューリングでは、必要人数を把握し、シフトのカバーを決めればよい、というものではありません。エージェントの希望にマッチしているか、各サービス種類に応じた必要スキルセットを持つエージェントが十分にいるか、考慮されていますか? エージェントエクスペリエンス (AX) とカスタマーエクスペリエンス (CX) は、明確に因果関係があります。したがって、シフトを割り当てる際には、顧客満足度を優先するならば、エージェントの満足度にも注目する必要があるのです。

スケジューリングでは、エージェントの希望、つまり働ける日、追加シフトの希望、休暇希望などを考慮する必要があります。希望の申請・変更が簡単にできるような機能を提供すべきです。こうすれば自分でスケジュールを管理できるため、生産性が向上します。ひいては離職率の低下にも直結します。また、エージェントのスキルも加味してスケジューリングできれば、最適なエージェントにお客様のお問合せ対応を任せることができます。このため、お客様・エージェント両方を満足させる、最適なエージェントスケジューリング体制を構築できるのです。

WFMソリューションに求められるもう一つの機能、それは人とAIベースの「マシン・エージェント」の両方を一緒にスケジュールに組み込めることです。これにより、簡単な問い合わせはマシン・エージェントが対応し、複雑な問い合わせは人間のエージェントが対応するで、お客様とエージェントの両方のエクスペリエンスにプラスの影響を与えることができます。


イントラデイとヒストリカルレポートによる振り返り機能

コンタクトセンターにとって、サービスレベルやお客様の期待に応えられているか、応えられていないポイントが何かを知ることは非常に重要です。そのため、コンタクトセンターの管理者はその日の呼量や傾向をモニターし、アラートを受け取り、問題があればすぐに対処し、必要に応じてスケジュール変更を行う機能が必要です。同様に、傾向を把握し、将来的な計画を立てるために、過去のデータも必要です。

効果的なリソースの配備計画のためには、精度の高いスケジュールが必要です。そのため、イントラデイレポートやヒストリカルレポートがWFMソリューションの中核となるのです。

リアルタイムのイントラデイレポートでは、管理者にその日のデータが提供され、呼量の予実比較や例えば、SLA内で回答された対応の割合などの各サービスの重要な統計情報を得られます。アラートを設定すれば、人員の不足や過剰などの潜在的な問題をスーパーバイザーに通知することもできます。これにより、人員の過不足のリスクを低減、リソース不足による対応漏れを減らしSLAを満たすことができます。一方、ヒストリカルレポートでは、モニターしているすべてのサービスの過去の実績が表示されます。これらのレポートは、包括的で詳細なデータを、すべてのユーザーが理解しやすい方法で提供されなければいけません。


クラウドベースであること

ビジネスの状況は一夜にして変わることがあるので、人員配置を迅速に変更できないといけません。コンタクトセンターが予期せぬ変化に対応するには、どうすればよいのでしょうか? クラウドベースのWFMソリューションを利用すれば、不測の事態への対応が格段に迅速かつ容易になります。

クラウドでサポートされるWFMソリューションは、オンプレミス型に比べ大きなメリットがあります。第一に、わずか数日でセットアップが可能で、スケールアップやスケールダウンも迅速に行うことができること。これにより、コンタクトセンターの運営に重要な柔軟性がもたらされます。第二に、費用はすべて月額利用料に含まれるためハードウェアへの多額の先行投資が不要なうえに、アップグレードも自動的に行われること。最後に、クラウドベースのWFMソリューションは、リモートアクセスが可能なため、どこからでも遠隔で変更を加えることができることです。

WFMソリューションがモバイルインターフェースを備えていると、変化する状況に即時対応することができ、お客様やエージェントの要求を常に満たすことができるのです。


最初からオムニチャネル向け設計であること

正確な予測を立てるためには膨大なデータが必要です。特にスプレッドシートを使って、手作業でデータをまとめようとすると、莫大な作業量に、すぐに圧倒されてしまうでしょう。このため、最初からオムニチャネル向けに設定されたWFMソリューションを選ぶことが、とても大事です。

複数のチャネルからのデータを自動的に取り込むWFMソリューションは、電子メール、電話、ウェブチャット、SMS、ソーシャルメディアなど、あらゆるチャネルで正確に予測ができます。これにより、コンタクトセンターはこれら複数チャネル対応のために必要なリソースを十分に確保することができるのです。


WHAT-IF分析機能の搭載

誰でも一度は「もし自分が違うことをしたり、言ったりしたらどうなるだろう」と考えたことがあると思います。これがまさしく「What-if」分析です。

「もしも需要が急激に増加したら?」など、さまざまな仮定に基づいて予測できます。この機能があると、将来の計画やスケジューリング、さまざまな行動が与える影響をシミュレーションできます。この分析から、例えばキャパシティプ計画をより柔軟なものにするため、エージェントのマルチスキル化に投資するなど、改善点を見出すことができます。


インターフェースの使いやすさ

WFMソリューションに求められる重要なポイントの一つが、デザインが直観的であるかどうか、です。予測機能からスケジューリング機能まで、すべての機能に簡単にアクセスでき、ドラッグ&ドロップで簡単に操作できなければなりません。特に、管理者が毎日のようにスケジュールを変更する必要があるときは、使いやすインターフェイスでないと、大規模な人材管理は難しくなるでしょう。管理者が必要とするすべてのものが一ヶ所に集約されていれば、人材のエンゲージメントとマネジメントは、難しいことではありません。


インテグレーションのシームレスさ

WFMソリューションを最も効果的に利用するためには、コンタクトセンターのオペレーションとシームレスに統合されている必要があります。これはWFMソリューションが正確な予測、スケジューリング、レポートを行うためには、データを他のシステムから取得したり、提供したりする必要があるからです。もしWFMシステムとコンタクトセンターソリューションとの連携がうまくいかなければ、運用に支障をきたし、カスタマーエクスペリエンスも悪化するかもしれません。

CCaaS(Contact Center as a Service)ソリューションの一部としてWFMソリューションが提供されるならば、キュー、エージェント設定、ACDなどのパラメータが継承されるので、情報がタイムリーに連携されます。コンタクトセンターソリューションとは別のWFMソリューションとインテグレーションする場合は、情報連携に見落としがないかどうか十分にご注意ください。このため、WFMがあらかじめ統合されたシングルスタックのCCaaSソリューションをお勧めしています。

Content Guruの storm® WFM™ (Workforce Management)は、効率的で卓越した人材配置プランニングを実現します。storm CCaaSソリューションの一部であるstorm WFMは、ブラウザベースで、シンプルかつ直感的な操作インターフェースにより、強力なワークフォースマネジメント機能を提供いたします。storm WFMをご利用いただくと、スーパーバイザーや管理者は、必要な情報に一瞬でアクセスでき、変更や改善を迅速に行えます。WFMソリューションはコンタクトセンター運営の中核をなすため、成功をつかむ為には十分な情報に基づいた決定を行うことが重要なのです。


1 ContactBabel, UK Contact Centres 2021-25: The State of the Industry & Technology Penetration (18th edition), 2021